兜の自作編~高田式戦国武将の兜(かぶと)手作りに必要な道具類など

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偉そうなタイトルでございますが、ド素人がアイデアを取り入れて勝手に作ってみた「兜」(かぶと)と言う事で、暖かく見守って頂けますと幸いです。

今回の自作・兜づくりのコンセプトは、多少、道具類の費用は掛かりますが「短時間作成」を最大のモットーとしてみました。
ただし、どうしても、時間を削れない部分は、手を込んだこともしていると存じますが、私、独自の手作りゆえ、お見苦しい点はどうかご容赦賜りますと幸いです。

今回の兜1号の特徴と致しましては下記の通りです。

(1)強度・耐久性と耐水性を考慮して、極力、紙やダンボールは使わない
(2)安全性を考慮して工事用ヘルメットを流用するが、余計な加工は極力行わず制作時間短縮に繋げる
(3)吹返し(吹き返し)や、錣(しころ)も、省略はしないけど時短できるところは手抜きする

ヘルメット

鉢(はち)の部分としてヘルメットはバイクの半帽を活用する方法もあると聞きましたが、私は下記のヘルメットを選択してみました。

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特別、段差などがない、単に丸いヘルメットでも良いかと存じますが、前立てを付けたかったのと、黒く塗装する事で段差の部分などは、遠目からはわかりにくくなるだろうとの見解から、あえて「アメリカンタイプ」にしています。
桃形兜にも多少似ていると思います。
なお、今回、内部に入っている「発砲スチロール」は使いませんが、その発砲スチロールをベースにして「兜」を作ると言うのも良さそうです。

光ポリプレートPE460-6(黒)

錣(しころ)の部分には、甲冑を自作・手作りした際と同じ素材である光ポリプレートを使用する事に致しました。
これでしたら、湾曲も素直に出ますしね。

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光ポリプレートを使ったとしても、甲冑と同じように鎧兜用威糸(平紐)にて板と板を結合させます。
ヘルメットには「穴」をあけて、ネジで固定しますが、その辺りの工夫は、のちの説明にて・・。

しかし、吹返し(吹き返し)にする部分の「曲がり」は、この光ポリプレートでも加工するのにはちょっと困難かな?と感じまして、吹返だけは「厚紙素材」で行くことを考えてみました。
曲げると言う作業の時間短縮のため、選択したのは下記です。

吹返は紙コップからクリアーカップ

吹返(ふきかえし)には最初、薄さ1mmのアルミ板を好きなサイズにカットしてくれる通販業者に頼もうと思っていたのですが、それだけで3500円と、材料的に兜で一番高いコストとなってしまいます。
そのため、代替案として最初から丸まっていて加工しやすいものと言う事で、最初「トイレットペーパーの芯」を使おうと思ったのですが「紙コップ」を使ってみる事にしました。
紙コップならば、いい感じに、内径と外径がちょっと異なりますし、反りの雰囲気もでます。
最初からクルッと曲がっていますし、加工するにもハサミで切るだけですので、簡単ですし、黒く色を塗ればもう、紙コップとはわかりません。
鎌倉武士のように大きな吹返にする場合には、大きい紙コップを用いれば良いですし、戦国時代のように小さめにしたい時は、小さな紙コップを使えばよいだけと言うのも使いやすいです。
ただし、厚紙とは言え、耐水性・耐久性ではちょっと心配がありますので、下記の「硬化剤」を用いて、固く加工しようかとも考えました。

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しかし、いざ「紙」のコップに黒スプレーしてみても、擦れたり、当たったりすると、塗装が剥げると言うか、紙が「折れて」そのすき間から「白い」紙素材が現れてしまうと言う現象に陥りました。
そのため、「透明プラスチック」のクリアーカップ(プラスチックの紙コップ)を使う最終判断をしています。
紙タイプよりも強度はありますし、なにより紙と違って円形の形が崩れる事もありません。
大きなコップでも良いですし、小さなものでも行けますし、その辺りもお好みサイズの色々な「吹き返し」にできるのも良い所だと思います。
クリアーカップ(プラスチックの紙コップ)は100円ショップの紙コップ売場にて売られていますのでコストも安いですし、サイズとか切るのを失敗しても、予備が何個もあるので安心です。
ただ、透明なので黒塗装が剥げると、透き通ってしまう可能性があります。
そのため、サンドペーパー(紙やすり)を軽く全体に掛けてから、塗装はまずサーファーサーで下地処理をした上で、黒スプレーをかけることで、安定化を図りました。

吹返の作成

紙やすりをやらないと塗装が「剥げて」しまいます。

しかし、スプレーで塗る場合にも、コップじたいが「軽い」ので、スプレーすると、スプレーの風圧で、すぐに吹っ飛んでしまいます。
そのため、なかなかうまく塗れず、色むら出まくりです。
なんとか塗装できて、天日干ししようにも、ちょっと風が吹くだけで、どこかに飛んでしまいます。
もし、同じ方法を取られる場合には、皆さま、塗装工程はご工夫願います。

また、吹返は錣(しころ)に「ボルト(ネジ)」で固定しようかとも思いましたが「両面テープ」でいいやと思って、両面テープです。
普通の両面テープでは、固定力が弱くて実戦向きではありませんでした。
クルマのプラスチックパーツを固定させる、3Mの両面テープを使えば、結構、強力でなかなかはがれません。

半田ごて(はんだごて)

ヘルメットに穴を開ける作業ですが、最初は電動ドリルを持っているので、ドリルで穴をあけようかと思いました。
しかし、穴を開ける際にちょっと矛先が間違った方向に行きますと、穴あけ失敗しますので、ここは道具として比較的安上がりで、腕力も必要ない「半田ごて」の「熱」にて穴を開ける作戦にしました。
プラスチックの溶けるニオイだけ我慢できれば、女性が作業する場合にもお勧めです。
もちろん、臭いので、電源が取れる屋外で作業して穴をあけましょう。
ベランダがあれば、ベランダでも良いかと存じます。
また、ヤケドに注意が必要ですので、お子様がいる場所などは避けましょう。

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サークルカッター

錣(しころ)の部分として、光プレートを丸るくカットするには、コンパスカッター(サークルカッター、円切りカッター)が必須です。
しかし、直系30cm以上に切れる、大きなタイプがなかなか無くて、必要道具(用具)としては一番費用がかさみました。

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ちっょと高価な器具ですが、丸い前立を作ったりする場合にも活用できるかなと考えています。

喉輪

円切りカッターを使用したついでに「喉輪」(のどわ)も作ります。
これは甲冑作りの先輩から頂いた型紙を参考に、形はカットしてみました。
ただし、ちょっと長めにしたかったので、寸法は変えていますが、事実上、しろこ同様に目測での寸法です。
糸を通す方向を間違えているのにあとで気がつきましたが、もうどうでもよい状態です。
このように威(おどし)の通し方も完全に素人作ですが、一応は完成しました。

喉輪の自作

なお、首の後ろにくる「紐」の部分は「円形のゴムロープ」を使っています。
ゴムロープは、大きなホームセンターの資材売場(ロープ売れ場)にて1m単位で切り売りしています。
伸び縮みするので、いちいち紐を結ばなくても、ゴムロープを伸ばしつつ頭の上から通すだけで、喉輪を装着可能となり、甲冑を着る時間短縮にも繋がります。
紐は単なる黒色で飾り気もありませんが、甲冑を付ければ首の後ろなんか見えにくいだろうと言う判断です。

前立

前立(まえだて)は、市販品でも購入しようかな?とも考えたのですが、色々と作ってみるのも良いと考え、あえて作ってみる考えでした。
最初は作業時間短縮のため、簡単な「円盤」でも作ろうと考えました。
上記のサークルカッターで簡単に切れますしね。
塗装は、金色(ゴールド)スプレーにて施せば良いです。

このようにサークルカッターを使えば、伊達政宗ふうの三日月の前立も作れるなと思っていましたら、今回は、喉輪を切っている時に、たまたま余った素材(切れ端)が「小さめの三日月」の形をしていました。
それを金色(ゴールド)のスプレーで塗って、前立てが1つ完成です。

あと、ホームセンターの神棚販売物にあった備品で、商品名は分かりませんが木製品の「円」をそのままゴールドスプレーしました。
ヘルメットとの固定は「マジックテープの黒」を使う事にして、前立てを必要に応じて「交換」できるタイプにしてみました。

マジックテープで取れる状態であれば、前立てが何かに当たった際に、破損しにくい(ケガを軽減する)と言う効果も狙っています。

前立ての固定金具

なかなか良いものが無かったので、ヘルメットの内部から「金具」を突き出す事にしました。
ホームセンターで売られている黒金具・クランク形状のもので一番小さいのを購入し、ヘルメットの穴は「半田ごて」にて細長く通せるだけの穴を開けて組み込みました。

兜の前立て

なお、この場合、ネジにて前立(まえだて)を固定しても良いと思いますが、私は3Mの車外パーツ固定用の両面テープでヘルメット内側に固定しています。
そして、金具と前立の裏側には「黒のマジックテープ」で固定する感じにし、前立ては取り外し可能な状態にします。

実際の作業行程

始めて作った素人作ですので、色々とツッコミどころも満載だと存じますが、申し訳ありません。
ここからの説明は、今までの説明と一部重複する部分がありますので、ご容赦願います。

さて、鎧兜の「兜」ですが、まぁ、これもピンからキリまで色々なタイプがあります。
色々と悩みましたが、いつもの通り「作業時間が短い」省力エコと言う事で、できる限り簡単に作ってみました。

まず、母体となる頭の部分です。
画用紙やダンボールで作って、最後に液体で硬化させる方式もございますが、極力、プラスチック素材で行く事しました。

まずは、ヘルメットの応用ですが、バイクの半帽を使うのがカタチ的には一番しっくり来るようです。
しかし、内部の発泡スチロールを繰り出す作業が必要なんて話も、甲冑作りの先輩がおっしっゃておられましたので、教室でお世話になっております三郎兵衛殿同様の「工事現場ヘルメット」を使う事にしました。

この作業用ヘルメットですが、これも姿・カタチとしては色々とありますが、私は下記のアメリカンタイプを選択致しました。

黒く塗ってしまえば、形状はほとんど目立たなくなりますし、前立てをつける事で、前面の角張も自然に見えて来るであろうとの素人判断です。

ヘルメットの中にある、なんて言うのでしょう?
頭をホールドするプラスチックは、外して別の紐をつけたりするのが王道だと思いますが、固定感を無くしたくなかったので、プラスチックのホールド部分は、塗装のためいったん外しますが、またつけなおすことにしました。
ただし、紐の部分は、さすがにナイロンだとおかしいと思いますので、和風の紐でアゴと結ぶことにします。

兜を作る材料

まず最初に400番くらいのサンドペーパーで、ヘルメット全体を「磨きます」が、これはあとで塗料がのりやすいようにする為です。

また、下地処理と致しまして、タミヤのサーフェイサーをヘルメット全体にスプレーします。
タミヤのスプレーなんて使ったのは、何年ぶりでしょう?
乾く時間が良く分からなかったので、次の日まで乾かしてから、今度は黒スプレーを塗りました。

その塗料が乾く間の時間を使って「しころ」を作って見ます。

しろこは、曲がった加工物となりますので「型紙」がないと、プラスチック素材の切り出しで失敗する可能性が高くなります。
そのため、画用紙を使って、ヘルメットに充てて見たりして、型紙を作りました。

その型紙を基準にして、板を切ります。
円切りカッターでカーブが綺麗になるようにカットしました。

兜のしろこ

もちろん、板は光ポリプレートを使用します。

道具類の説明はこちらにて行っていますので、ご確認願います。

しろこを固定する必要性などがあるためヘルメットにはどうしても「穴」を開けなくてはなりません。
上記でご紹介したように「半田ごて」を使って穴をあけていますが、はんだごての「熱」でプラスチックを溶かして穴をあけると言う事です。
嫌な臭いが発生しますので、当然、外で作業しました。
これも悩んだのですが、黒塗装したあとに穴を開けてみました。
が、溶けだしたプラスチックは白くなってしまい、その部分にまた黒スプレーする結果となりました。
よって、穴の位置が前もって確定しているようであれば、ヘルメットに塗装する前に穴を先に開けた方が効率は良いです。

兜の飾りですが、既製品のヘルメットではないとゴマかす意味で、ヘルメットに「飾り」をつけて行きます。

しんちゅうの鋲のとんがっている針の部分をニッパーで切断し、両面テープで貼って行きます。
貼るのは瞬間接着剤でも良いと思います。

ヘルメットの「つば」の部分も鋲を貼りつけて、雰囲気を出します。

ヘルメットの内部ですが、ヘッドバンドなどは全く使わない方が多いと思います、私はそのまま再利用しました。
もともとあったヘッドバンドを使う事で「兜」を被っている間、頭との固定は「安定」するだろうと言う事で、そのまま使いましたが、これで頭部の「通気性」も良いかと思います。
頭頂部の通気性が良ければ、蒸しませんので、武士のように、ちょんまげにする必要もありませんので、普段は現代人でいられます。

内部は特に黒塗装もしませんでしたが、灰色の部分が露出すると醜いですので、そとから極力見えないようにはしています。
顎紐(あごひも)はそのままプラスチックのものは使えませんので、和風の太めの紐を使っています。

こんな感じです。

ただ、作業時間的には、かなり掛かります。
夏に作業すると、汗だくです。

今回作ったものを「改良」することはあっても、もう、2度と甲冑や兜を作る事はありませんが、ご参考になれば幸いです。

以上、最後までご覧頂きました事、深く御礼申し上げます。

Special Thanks 三郎兵衛殿

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折り返し、メールにてご返信申し上げます。

自作甲冑「手作り甲冑」に必要な道具やパーツ・素材と作り方の記録

コメント

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  1. とみ新蔵

    はじめまして、時代劇画屋のとみ新蔵です。兜をお着けて剣術稽古をしたいと思ってますので
    ご返事をくださればありがたいです。

  2. お問合せありがとうございます。
    メールにてご返信致しましたので、ご確認賜りますと幸いです。