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北海道根室市の根室半島に、ちょっと太平洋側に突き出た落石岬(おちいしみさき)があります。
この落石岬は台地になっており、海岸線は断崖絶壁になっており、岬一帯は落石湿原になっており環境保全地域です。
そのため、車両の乗り入れも途中までしかダメで、約2km程度の木道を歩いて散策する形になっています。
そんな落石岬にもアイヌのチャシ(砦)がありますので、ここでは、そもそも「チャシ」とは?と言う意味も含めて、記載してみたいと存じます。
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まずは、アフラモイチャシからです。
アフラモイチャシ
アフラモイチャシ跡は落石岬の近くにあります。
丘先式の砦です。
落石(おちいし)という地名は、アイヌ語ですと「オク・チシ」(人の首の付け根のくぼみ)と言う事になりれます。
アフラモイチャシ跡がある落石岬辺りは私有地と言う事もあります。
しかし、フットパスと言う、人が歩く権利(通行権)と言う形で販売されている「おちいし岬パス」があります。
北海道では、各地にこのようなフットパスがあります。
実際にはおちいし岬を散策するための有料販売地図と言う感じなのですが、風蓮湖の道の駅「スワン44ねむろ」にて200円で販売されています。
この地図「おちいし岬パス」を持っていると、進入禁止のケートより先へ徒歩で入ることが許可されています。
ゲートに係員さんがいてチェックする訳ではないのですが、落石岬湿原もあり自然豊かなところですので、ルールは守りたいところです。
なお、ゲートに駐車スペースがあり、そこからアフラモイチャシまでは徒歩で往復40分~60分程度のようです。
住所は北海道根室市落石西。
ニノウシチャシ
ニノウシチャシ跡も同じく落石岬がある半島にあります。
こちらも丘先式です。
こちらは近くまで道路がありますが、いけるところから徒歩でやはり片道10分ほど歩きます。
私有地かどうかはわかりませんが、アフラモイチャシ同様に「おちいし岬パス」を事前に購入した方が無難でしょう。
なお、落石岬には地球環境モニタリングステーションもあります。
住所は北海道根室市落石西。
チャシとは
アイヌ人の砦とも言えるチャシですが、本丸と言える部分は20m四方程度と小さいところも多く、多少の堀で隔離した中に建物が1~3棟程度あったと考えられているそうです。
しかも、アフラモイチャシとニノウシチャシと、名前が異なるチャシでも、同じ落石地区にあるなど、2つもいらないだろうと思えるような使われ方もしています。
もちろん、双方で時代が異なる可能性はありますが、どちらかが大規模と言う事でもないです。
ともあれ、アイヌは文献がほとんど残されていない(文字を書いて残すと言う文化があまり無かった)ので、わからないことが多いと言うよりは推定になってしまう部分が多々あります。
戦国時代から江戸時代で北海道のアイヌ人の人口は約1~2万人と推定できます。
これらを考慮しますと、その地域の首長の自宅を、堀や策で巡らし、多少の防御機能を加えたと推測できます。
本土で言えば「館」ですね。
実際問題、松前藩など和人の城も、防御に優れたお城と言うよりは「館」となりますが、蝦夷では「たて」又は「たち」と呼びます。
たちの発音がチャシに、似ていると思うのは、私だけではないと存じます。
蝦夷地の各チャシなどへのアクセス・行き方は、当方のオリジナルGoogleマップ(道東)にて駐車場などご紹介しています。
根室本線の落石駅から歩くと、車止めまで徒歩60分で、丘ですので、最後の方は上り坂もあります。
道路も途中から未舗装です。
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