鎌倉の報国寺と永享の乱・足利義久【竹林で癒されるパワースポット】

鎌倉・報国寺とは

鎌倉の報国寺(ほうこくじ)は、1334年、天岸慧広の開山による臨済宗建長寺派の寺院です。
開基は足利尊氏の祖父・足利家時、または上杉重兼とする2説があります。
報国寺は鎌倉随一の美しい竹林で有名です。

報国寺の竹林

竹の庭は有料拝観で朝9時~16時となり、拝観料300円にプラス600円にて、竹林の中にある店にて抹茶も頂けます。

報国寺の竹林

ちなみに、護国寺は恋愛成就でもありますので、素敵な恋が訪れるかも知れないパワースポットにもなっているそうでして、そのためか、カップルで訪れている方も多いです。

鎌倉公方・足利持氏と関東管領・上杉憲実の対立である「永享の乱」(えいきょうのらん)となると、関東管領・上杉憲実は上野・平井城へ逃れます。
この時、足利持氏は、近臣の一色直兼勢を向かわせ、自身は府中・高安寺に陣を構えます。

上杉憲実は室町幕府に救援を請うと、将軍・足利義教が関東の諸武将、陸奥・篠川公方である足利満直、駿河守護・今川範忠、信濃守護ろ小笠原政康、斯波持種、甲斐常治、朝倉教景らに上杉憲実救援を命じ、上杉禅秀の子・上杉持房・上杉教朝らの幕軍を派遣します。
この時、将軍・足利義教は朝廷に働きかけて、鎌倉公方・足利持氏を「朝敵」としており、9月27日敗れた足利持氏は海老名館まで退きます。


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1438年11月1日、三浦時高・上杉持朝・二階堂氏らが鎌倉大蔵谷に攻め入ると、足利持氏の嫡男・足利義久の近習である梁田兄弟や一色氏、佐野氏らは防戦しますが、この報国寺にて自害したとされます。
家臣らの裏切りが相次いだこともあり、足利持氏は降伏すると、鎌倉称名寺で出家し、その後、永安寺に幽閉されました。

しかし、許されず、1439年2月10日、鎌倉公方・足利持氏がいる永安寺は襲撃を受けて、足利持氏は自害して果てました。

報国寺

その足利持氏の嫡男である17歳の足利義久(あしかが-よしひさ)は、ここ報国寺に幽閉されていたようですが、討伐されることが伝わると、1439年2月28日に報国寺にて自刃したと言います。

報国寺

仏前で焼香した足利義久(賢王丸)は、念仏を10回唱えた後に、左脇に刀を突き立てて自害したとされます。
また、この時、稲村公方・足利満貞も自害しています。

報国寺

このように鎌倉公方は一旦滅亡したのですが、足利持氏の子である足利成氏がのちに享徳の乱を引き起こし、古河公方を名乗る事になります。

報国寺

報国寺は竹の寺と呼ばれますが、コケの緑な感じも素晴らしい景観です。

報国寺の庭園

小さいながらも庭園もありました。
平日に訪れてみましたが、外国人観光客も含めて、結構、参拝者が多かったです。

足利義久の墓

上記の「やぐら」(横穴)の中には足利義久の墓や足利一族の墓とされる墓石があります。

新田義貞が鎌倉を攻めた際に戦死者の埋葬塚もありますが、写真は失念しました。
またしても、次回の宿題ができてしまいました。
・ と、言う事で、再訪させて頂きまして、埋葬塚もお参り・撮影させて頂きました。

報国寺・埋葬塚

埋葬塚の近くにお塔婆がありまして、ちょっと拝見しましたら、上杉禅秀(うえすぎ ぜんしゅう)と記載されていました。
1417年1月10日、足利満隆・足利持仲と共に、鶴岡八幡宮にて自刃した、上杉禅秀の供養もおこなっているようです。


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交通アクセス

報国寺へのアクセス・行き方ですが、鎌倉駅から歩くと距離2.2kmで徒歩30分くらいです。
路線バスの場合には、鎌倉駅東口の5番乗り場より、京浜急行バス「鎌24」「鎌23」「鎌36」系統で約12分の浄明寺バス下車で徒歩3分となります。
バスの本数は比較的多いです。
車の場合には、下記の地図ポイント地点に参拝用の無料駐車場が3台ほどあり、止められる数は少ないですが、シーズンで無い平日はなんとかなりそうです。
土日祝など満車な時は、手前の橋付近にあるコインパーキング(タイムズだったような気がします)がお勧めです。
100円Pは、鎌倉浄明寺郵便局の向かい側(狭い橋を渡ったところ)にも28台あります。

報国寺の付近には、昼食(ランチ)を頂けるようなレストランなどは、あまり無いので食事は、場所の工夫が必要です。

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