大久保藤五郎(大久保主水)と伊可 江戸の街に水道をひいた菓子司

大久保藤五郎




大久保藤五郎(おおくぼ-とうごろう)は、正式な名前を大久保忠行(ただゆき)、通称を大久保主水(もんと)と言う戦国時代末期の武将です。
父は宇津忠茂で、大久保藤五郎は5男として生まれました。
兄に徳川家康が若いころから支えた大久保忠俊・大久保忠員がいます。


大久保藤五郎の初見としては、1560年に三河にて300石を与えられており、徳川家康の小姓を務めたようです。
しかし、三河一向一揆の際に徳川勢として戦うと、鉄砲を腰に受けて落馬し、そのあと歩くのが不自由になったとあります。
そのため、合戦には出れなくなりましたが、お菓子(和菓子)を作るのが得意となり、徳川家康に茶菓・餅を献上する役割を担いました。
特に、武田信玄との三方ヶ原の戦いの際、合戦に出れない代わりに、六種の菓子を徳川家康に献上すると、以後の合戦でも菓子司として献上することになりました。
毒入りを恐れていた徳川家康は普段、餅は食べませんでしたが、大久保藤五郎が作った三河餅は好んで食べとも言います。
のちに、徳川家康が井の頭池を訪れて、茶を点てた際にも三河餅を献上しています。
この時、湯を沸かした「宮嶋」という銘が入っている茶釜を大久保藤五郎は拝領しました。

1590年、徳川家康が関東250万石に国替えとなると、江戸城を大改修することになります。
また、江戸城の周りに城下町を建設しようとしますが、住むのに一番必要なのは「水」となります。
しかし、江戸は低湿地帯でも、井戸を掘ったとしても、海に近いことから塩分が多く、飲めるような水がでませんでした。
そこで、徳川家康は大久保藤五郎(大久保忠行)に対して、上水道をひくことが可能か調べさせました。
井の頭池や善福寺池などの湧水から水をひけることが分かると、大久保藤五郎(大久保忠行)は、江戸の街へ水道を供給する普請(工事)の奉行を命じられます。
約3ヶ月で、小石川目白台下の川から神田方面に微妙な傾斜による水道管を通しました。
上水は小石川上水と呼ばれ、のちに発展した神田上水(かんだ-じょうすい)の原型になったと言われています。
この功績にゆり、徳川家康から「主水」の名を与えられました。
しかし、水が濁っては困るとして、読み方を「もんど」ではなく「もんと」と言うようにと徳川家から命じられた模様です。
そして、子孫は幕府の菓子御用を勤め、代々、大久保主水を称しています。


2019年、NHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」(前編)では、大久保藤五郎を佐々木蔵之介さんが演じられます。
大久保藤五郎の妻は伊可となり、女優の優香さんが夫を支える妻を演じますが、伊可の父は遠山氏と記録があるだけです。
具体的に、どの遠山氏の娘なのかはわかりません。
遠山氏と申しますと、通常は、美濃・岩村城の遠山氏が有名ですが、遠山氏は一族も多いので庶流であったと推測されます。

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