三岳城(三嶽城)~井伊家が籠城した山城と滝沢展望台

三岳城(三嶽城)とは

井伊家の本拠地・井伊谷城では比高に不安だったのか、井伊家は有事の際にはより堅固な「三岳城」に籠城したことが、何度か文献に出てきます。
その三岳城は、南北朝時代に井伊谷領主・井伊道政が築いたとされています。

1339年には、井伊道政が後醍醐天皇の皇子・宗良親王とともに三岳城に入って、南朝方の拠点となりましたが、籠城中に後醍醐天皇が崩御しています。
ただし、この時、井伊家の当主だった人物は、井伊行直であった可能性もあります。
南朝勢は支城の鳴江城、千頭ヶ峰城を落として三岳城に迫りました。
1340年1月30日、北朝・足利尊氏勢の高師泰・高師冬・高師兼・仁木義長の大軍に攻められて三岳城が落城すると、井伊道政と宗良親王は大平城へ逃れましたが、その大平城も落城しています。
宗良親王は駿河・安倍城に移ったと推測されているようです。


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戦国時代初期の井伊家は遠江守護・斯波義達に従っており、1510年には今川氏親の忍者が三岳城にあった井伊次良の陣所を焼いています。
その後、引馬城主・大河内貞綱が尾張の斯波義達と結託して、今川氏親に謀反を起こした際、井伊直盛も呼応して三岳城に籠城し、今川家に反旗を翻しました。
この時、今川氏親は刑部城堀川城に伊達忠宗を入れたほか、今川家の武将である掛川城主・朝比奈泰以によって、1513年3月7日に三岳城を攻撃させ、井伊直盛は奥山城へ逃れたあとに今川家に降伏して没落しています。
そして、三岳城には奥平貞昌が城番として入りました。

三岳神社

中腹の三岳神社がある場所が、三の丸跡とされており、ここで水の確保をしていたようです。
三岳神社は薄い桃色をしたコンクリート造ですので、あまり見応えはありません。
今回、その三岳神社から三岳城へ登ってみました。約150mの高低差です。
下記がその登山口となります。

三岳城

登りはメチャクチャ「きつい」と言う訳ではありませんが、山も登り慣れていないとちょっとキツイかも知れません。

三岳城

日頃、不摂生な小生は、当然、息が切れる登りです。
夏場はしっかりと、水分補給できる状態と、あと「虫除け」必須でお願いします。

三岳城

三岳城は山頂の本曲輪と、東の尾根にある東曲輪がありますが、麓からの大手道を登ると下記の分岐点の尾根に到着します。
神社の駐車場から15分~20分くらいだと思います。

三岳城の分岐点

分岐点近くには下記のような石碑もありました。

三岳城の石碑

分岐から左手に登って行くと、本丸です。

三岳城

コースはあまり整備されておらず、いわゆる「山道」ですので、最低限スニーカーを履いて行くのが良いですが、お勧めは軽登山スタイルの軽登山靴とトレッキングポール持参がお勧めです。
このような山は「ヘビ」がいたりもしますので、長ズボカンしっかり足首までホールドされる登山靴が良いです。

三岳城

トレッキングポールがあると、特に下山する際の危険防止になるほか、足腰への負担も軽減できます。 

三岳城

最後、茂みを抜けると、明るい本丸に到着となります。
分岐から約5分程度だと思います。

三岳城

国指定史跡にもなっている三岳城は、標高466.8mの三岳山山頂が本丸です。
西側の斜面には雛壇状に帯曲輪があるようですが、写真だとわかりにくいので撮影は断念しました。

三岳城の本丸

南北朝時代の山城の特徴とも言えますが、井伊谷川からの比高は430mもあります。
晴れていれば、浜名湖や、浜松アクトタワーを望むことができます。

三岳城からの展望

分岐へ戻って、その先には東西二郭に分かれた東端の二の丸がありますが、二の丸方面は、台風の後ということもあり、ちょっと道が荒れていたので勇気を持って今回は諦めて、下山致しました。

三岳城の二の丸方面

三岳山は、頂上(本丸)からの展望もあるので、低山ハイカーの方も訪れる人気コースとなっています。
私が訪問した時には、2組の方とすれ違いました。

アクセス・行き方

三岳城へは、中腹にある三岳神社(三嶽神社)の無料駐車場から城攻めすると良いです。
所要時間をまとめますが、三岳神社の駐車場から分岐(桝形門跡)まで約15分、分岐から左へ登る本丸が約5分、分岐から右に行く二の丸が約10分といったところです。

井伊谷からの道をずっと登って行きますと、所処に「三岳城址・」と言う石標も道路沿いにあります。
その道路をずっと登って行きますと、三岳神社へ繋がる「階段」があります。
その階段脇に2台位止められるスペースがありますが、そこからだと階段大変ですので、更に道路を上がって行って、左に折れる道を下記の地図をご覧の上、お進みください。
すると、三岳神社のすぐ下に、無料の駐車スペースがあります。
約20台は止められますので、混雑していて満車で止められないと言う事は、まずないでしょう。

なお、トイレや水場は駐車場にも無かったと思いますので、麓で済ませておきましょう。

新東名の西行きから見える三岳山トンネル上の巨大な風力発電は、この三岳城の峰とは1つ隣の尾根となりますので、三岳山からは直接風車は見えませんでした。
風力発電の風車は下記の滝沢展望台付近にあります。

滝沢展望台

滝沢展望台は、浜松市を見下ろす標高約350mの高台にある展望台です。

滝沢展望台からの眺め

道はちょっと細いですが、三岳神社から舗装された道を約3km進むと到達できますので、天気が良ければ是非訪問なさってみてください。

ただ、道が分かりにくいので、カーナビで指定してから行くと良いです。
当方オリジナルGoogleマップをスマホで開いて、カーナビ機能を使用すると便利です。

また、川名の里に下りて行けば、井伊直平関連の史跡もあります。

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