石川五右衛門 戦国時代のヒーローで釜ゆでの刑となった稀代の大泥棒とは?

石川五右衛門とは

石川五右衛門(いしかわ-ごえもん)は、漫画・ルパン三世に登場する13代目・石川五ェ門(いしかわ-ごえもん)の先祖として名高いと言うのはさておき、実在した石川五右衛門を調べてみた。
石川五右衛門を題材にした日本映画にしても、これまで30本近く制作・公開されているほど、庶民の間で親しまれている大泥棒・石川五右衛門として大変有名であるが、その生い立ちなどは良くわかっていない。

石川五右衛門の生年や出自は不明であるが、時代は戦国時代末期で、出生地としては伊賀・遠江・河内・丹後などの諸説がある。
元々、幼い頃から非行を繰り返し、両親を亡くすと伊賀の忍者である百地三太夫(百地丹波)の弟子となったが、抜け忍(忍者を無断で辞めた)とする説もある。
辞めた理由は、百地三太夫の妻と密通したとも、妾を殺害して逃亡したとも、一緒に駆け落ちしたとも、色々と伝承がある。


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明治に戸籍ができるまで、農民などは、姓名を持たないが、五右衛門は「石川」と言う、姓名でも呼ばれていることから、武士などが出自とも考えられる。
そのため、丹後の伊久知城主・石川家の出自とする説もあり、一色義定の家老の家柄であったが、豊臣秀吉の命を受けた細川藤孝が丹後攻めをした際に、石川秀門(石川左衛門尉秀門)を謀殺したと言う。
その石川秀門(石川左衛門尉秀門)の2男・五良右衛門が落ち延びて、石川五右衛門になったとされる。

また、主家の宝蔵を破った三好家臣・石川明石の子であるとか、真田八郎と称していたが河内の石川郡山内古底にある医師の養子となって石川五右衛門と改名したとする説もある。

1582年、本能寺の変のあと、さらし首になっていた明智光秀の首を、石川五右衛門が盗み出し、近江・坂本城に届けたともされるが、これは江戸時代の創作か・・。

いずれにせよ、京に出ると盗人として悪事を繰り返した。
しかし、盗みに入る相手は、豪族・豪商など権力者だけであったことからも、庶民の間ではヒーロー的存在となる。
やがて、盗賊仲間を率いて大規模な盗みも行うようになったことから、大坂城の豊臣秀吉は捕縛命令を出した。


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前田玄以の手勢によって捕まった石川五右衛門は処刑されることになる。
これも、伏見城の豊臣秀吉の寝所に盗みに入って、仙石秀久により捕まったと言う伝承もあるが、これはのちの世のフィクションかも?

捕縛された石川五右衛門は、市中を引き回しのうえ、1594年8月24日、京都三条河原にて、一子と共に処刑されたとされている。
子供に罪は無かった?のではと、ふと感じてしまうが、その処刑方法は有名な「釜茹」であったとされる。
高温のお湯の中で、苦しませないように子供を釜に沈めてから石川五右衛門も命を落としたとされている。

山科言経卿記によると、1594年8月24日の日記で「Ixicavagoyemonら、盗人すり十人、子一人等釜にて煮らる。三条橋南の河原にて成敗なり。」と見受けられる。

辞世の句も有名で「石川や、浜の真砂は尽くるとも、世に盗人の種は尽くまじ」と詠まれている。
墓は京都の大雲院。

石川五右衛門の釜茹は、戦前、名古屋刑務所にて保管されていたが、戦後の混乱で行方不明。


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かつて伝説の人物とされていたが、イエズス会の宣教師ペドロ・モレホンの日記では「盗賊の頭や手下どもは、油の煮えたぎった釜の中に生きたまま沈められた。盗賊の処刑とはいえ、あまりにも残酷すぎる。」と、それらしき記述があると言う。
実際に「釜茹」の刑になった盗人がいたことも分かっているが、湯ではなく、油であったともされている。

もっとも、庶民にも慕われた石川五右衛門が処刑された釜ゆでの刑から、その後、かまどの上に鋳鉄製の風呂釜を据えて入浴する「釜風呂」の事を「五右衛門風呂」(ごえもんぶろ)と呼ぶようになった。

江戸時代になると、石川五右衛門は時の権力者であったは豊臣秀吉の命を狙う義賊として、歌舞伎や浄瑠璃、落語などでよく演じられるようになった。

他にも有名な盗賊としては、鼠小僧などがいる。


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2016年のテレビ東京系時代劇「石川五右衛門」では、歌舞伎俳優・市川海老蔵さんが石川五右衛門を演じる。

和田竜さんの小説「忍びの国」では、盗人になる前の石川五右衛門として「文吾」と言う忍者が登場する。

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