米山寺と小早川隆景の墓などがある小早川家墓所

米山寺(べいさんじ)は、1153年に創建された天台宗の寺ですが、小早川茂平が1235年に念仏堂を建立してから、小早川家の菩提寺となりました。
そのため、境内には小早川家の初代・小早川実平から、17代・小早川隆景までの宝篋印塔20基があり、国の重要文化財となっています。

小早川一族である乃美宗勝(浦宗勝)のページでも触れましたが、小早川家と言うのは相模・土肥(湯河原)が出身です。


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ここ米山寺には、小早川隆景が生きていた1594年に描かれた絹本著色の小早川隆景像(国の重要文化財)もあるとの事です。

米山寺

大人200円で有料拝観できるようですが「ただし5人以上で開館」とあります。

米山寺

ルールはルールなので仕方がないところではあります。

米山寺

村上水軍能島城にて2人分費用を用意しても1人では遊覧船が出なかったときと言い、瀬戸内海周辺でのこの手の催行人数には「懲りている」ので、1000円ご奉納するから1人でも拝見させて欲しいと厚手がましいお願いは遠慮致しました。
しかし、遠く関東から何万円もの交通費を負担してきた訳でして、1000円出してでも一生に1度は拝ませて頂きたかったと言うのが本音です。
とても残念ですが、是非、一人旅の方向けへの配慮もご検討頂きたいところです。
なお、5人以上でも事前予約が必要との情報もありますので、念のため記載しておきます。

さて、小早川家の墓所は、米山寺に入る手前の道路沿い左側にあります。(境内にはありません)

小早川家墓所

神奈川県湯河原の土肥から移住して小早川家になった土肥實平の墓もあります。
下記のちょっと傾いているのが土肥實平の墓です。

土肥實平の墓

土肥實平の墓は、故郷・湯河原の土肥氏の菩提寺・城願寺にもあるとの事です。
下記の写真で奥列の左で傾いているのが、土肥實平ですが、奥列の右で木の枝に隠れているのは、土肥實平の子・小早川遠平(土肥遠平)の墓です。

小早川遠平の墓(土肥遠平の墓)

下記は小早川隆景の墓で、一番右にありました。

小早川隆景の墓

小早川隆景をご紹介させているページでは、できる限り私見は控えさせて頂いておりますが、個人的に小早川隆景と言う武将は知れば知るほど大変魅力的な武将でして、戦国時代で最も優れたマルチ武将だと思っています。
陸上における軍師としての軍略・智略だけでなく海軍(小早川水軍)も率いる統率力、毛利家へのゆるぎない忠節とその生涯を貫いただけでなく、三原城でもわかる政治力や築城能力、そして情報収集とその予見及び豊臣家などとの外交手腕と言い、欠点が見当たりません。

小早川隆景の訃報には、黒田官兵衛も「日本に賢人はいなくなった」と嘆いています。

小早川家墓所

小早川秀秋の墓がないのは、非常に納得がいきます。
小早川隆景は毛利元就による政略結婚にて、小早川繁平の妹と結婚して、小早川家の婿養子となりましたが、子が出来なくても、側室1人、置きませんでした。
そのため、豊臣秀吉は北政所の甥である小早川秀秋を、小早川家の跡継ぎとして養子にするよう命じた訳ですが、毛利家からは小早川一族だと認められていなかったと言う事でしょう。
ちなみに、小早川秀秋の墓は岡山の瑞雲寺ですが、残された小早川秀秋の家臣は、関ヶ原の裏切りから仕官先が無かったとされ「小早川浪人」と呼ばれています。

小早川家の墓所

下記の写真は、小早川隆景が三原城に移るまで、小早川家の本拠地だった新高山城の遠景です。
時間がたっぷりあれば、登りたいところだったのですが、吉田郡山城や福山城なども今回は時間が無い状態でしたので、新高山城は遠くから見るだげて辛抱致しました。

新高山城

下記は新高山城に本拠を移す前の居城になる安芸・高山城です。

高山城

さて、米山寺の観光所要時間は約20分で、公衆トイレも完備されている無料の境内駐車場は7台です。
JR山陽新幹線三原駅からタクシーで25分となります。
下記の地図ポイント地点が駐車場の場所となります。
地図は縮尺を変えてご覧願います。

米山寺へのアクセスですが、北にある納所橋から南下してくると、途中からずっと対向車が来たらおしまいの道を進みますので、大変心細かったです。
それに対して、小原工業団地から上がってくる道は、比較的広い道路でしたのでお勧めです。

最後にオマケ写真ですが、広島空港に向かう途中、安芸・梨羽城の下を通過するので、撮影致しました。

安芸・梨羽城

梨羽城は沼田小早川氏の9代・小早川春平の3男・小早川時春が梨羽時春と称して城主を務めたのが始まりです。

安芸・梨羽城

以上、岩国城亀居城宮尾城草津城鎮海山城賀儀城甘崎城三原城などを周った広島の旅でした。
しかし、広島県には城がたくさんあると言う印象です。とても周り切れていないので、何年後になるかは分かりませんが、吉田郡山城なども是非登城したいと考えております。

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