曽根昌世~武勇も誇った優秀な武将も後世では評価されていない?

曽根昌世とは

曽根昌世(そね-まさただ、まさよ)は、武田信虎武田信玄に仕えた曽根虎長の子として生まれたとされる。幼名は孫次郎。内匠助。初名は曽根勝長。曽根下野守とも。
武田信玄の奥近習六人衆の1人で、足軽大将として騎馬15騎・足軽30人を与えられている。
また、曽根家は「諏訪御寮人」を養女とし一時預かったともされている。
信玄の嫡男・武田義信による義信事件の際、義信の乳人子であった昌世の嫡子・曽根周防守も死罪となったため、一時的に駿河に逃れているが、その後に帰参した。

1565年、武田信玄の嫡男・武田義信のいわゆる「義信事件」では、傅役である飯富虎昌、側近の長坂昌国(長坂源五郎)、曽根周防守らが処刑された。
この曽根周防守は曽根昌世の子であったため、曽根昌世は今川氏真を頼って駿河へ逃れたが、1569年に武田信玄の要請を受けて帰参したようだ。


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そして1569年、北条氏照北条氏邦らとの三増峠の戦いでは浅利信種の軍監(検使役)として参戦。
軍監とは戦目付けで副将のような役割であり、浅利信種が鉄砲に当たって討死すると、軍監の曽根昌世が部隊の指揮を引継ぎ、見事な撤退戦を演じている。

甲陽軍鑑では、武田信玄の駿河侵攻の際に、真田昌幸と「物見」として活躍し、武田信玄から「昌世と昌幸は我が両眼だ」と称されており、武田二十四将にも挙げられる。
駿河・花沢城への攻撃の際にも、三枝昌貞(三枝守友)に次いで2番槍の武勇を誇り、曽根昌世は駿河・興国寺城代を任され、1570年の伊豆韮山城攻めでも武功を挙げている。

1573年、武田信玄が無くなった頃に、父とされる曽根虎長も死去したようで、そのあとは引き続き武田勝頼に仕えて、1575年の長篠の戦いにも参戦。
興国寺城代としては、1578年に曽根昌世が発行した古文書が確認できている。

1581年には、真田昌幸と共に新府城の縄張り(設計)を担当した。

1582年、武田勝頼天目山の戦いで討死すると、その後は徳川家康の家臣に加わったが、かなり早い時期から徳川家康に内通していたともされる。

明智光秀本能寺の変にて織田信長が横死すると、徳川家康の甲斐侵攻にも参戦し、天正壬午の乱でも活躍した。
また、三枚橋城主・曽根河内守らと武田の旧臣を徳川家に誘い、駒井政直などを徳川に臣従させている。

徳川家では起請文奉行として務める一方で、自身は武田家親類衆として署名もしているため、曽根家と武田家はなんらかの血縁もあったと推測できる。
ただし、曽根昌世は武田一族由来の「信」の字を使っていないので、曽根家に養子に入っていた可能性もある。


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なお、徳川家康からも興国寺城の城主を命じられたが、1584年の小牧長久手の戦いの後、徳川家康の命で追放されている。
武田を裏切ってまで徳川家に寝返っていた事を、徳川家康が嫌ったとも推測できる。

1590年、豊臣秀吉の小田原攻めにて北条家を滅亡されると、徳川家の所領は関東に移ったため、このときに新たに真田信尹(真田隠岐守、真田昌幸の弟)と共に蒲生氏郷に仕えたようで、蒲生氏郷が会津へ転封した際に帯同して移ったと言う。

その後、武田流の会津若松城縄張りなどに貢献したが、生年ともども没年などは不明である。
ちなみに、1595年に蒲生氏郷が死去し、会津では蒲生騒動となっており、真田信尹は徳川家に再び仕えている。

なお、直系の子孫がいないためか、優秀だった曽根昌世の話はあまり後世に伝わっていないく、なかなか大きく評価されない要因の1つでもある。

曽根氏はたくさんいる

曽根昌長・曽根縄長・曽根虎長と続いて、曽根虎長の子とされるのが長男・曽根昌世(曽根内匠助昌世、曽根下野守)となる。
※異説あり

曽根昌長の4男とされる曽根定次は、曽根長次(曽根上野守長次)と続いて
長男・曽根長忠(曽根河内守長忠、曽根七郎兵衛)は、上野・石倉城の城代。
次男・曽根家次(曽根与左衛門家次、曽根与市之助)は武田滅亡時に討死したようだ。

この方にも曽根氏(曾根氏)は支族・一族が多く群馬県安中市磯部には「信照寺」と言う、曽根信照の菩提を弔う寺もある。
この曽根信照、武田滅亡後は徳川家に仕えてあり、1590年の岩槻城攻めにて討死した。
家督を継いだ曽根信正が、碓氷郡にて1000石となり、信照寺を建立した形となっている。

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