浅井初
常高院(じょうこういん)・浅井初(お初、於初)は、1570年に小谷城にて生まれた。
父は小谷城主・浅井長政で、母はお市の方(織田信長の妹)。
姉に茶々(淀殿)、妹にお江(崇源院)がおり「浅井3姉妹」と呼ばれる。
2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」では、子役の古川凛さんが「お初」を演じられる。
1573年、小谷城が織田信長に攻められて、父・浅井長政と祖父・浅井久政が自刃。
落城の最中、母・お市の方とお初ら三姉妹は、家臣の藤掛永勝によって織田家に届けられた。
その後、伯父・織田信包の下で保護されたとも、守山城主・織田信次に預けられたとも言われているが詳しい事は不明である。
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1582年6月2日、明智光秀による本能寺の変にて、織田信長が討たれると、織田家後継者を決める清洲会議(清須会議)にて羽柴秀吉が実権を握る。
そのため、母・お市の方は柴田勝家と再婚して、越前・北ノ庄城へ移ったため、茶々・お初(13歳)・お江の3姉妹も北ノ庄城に入った。
1583年、羽柴秀吉との賤ヶ岳の戦いで柴田勝家が敗走。
北ノ庄城が落城した際、柴田勝家とお市の方は共に自害したが、浅井三姉妹は城を脱出し遥の谷へ逃れた後、羽柴秀吉が迎えを出して保護した。
玉興記によると、三姉妹は一旦安土城に入ったとあるが、織田信雄が後見して養育したものと考えられる。
茶々・お江と同じく母・お市の方の美貌を受け継いでおり、細身で容姿端麗であったと言う。
1587年、羽柴秀吉の斡旋により、お初(18歳)は浅井家の主筋である京極家の当主であり従兄でもあった大溝城主・京極高次に嫁いだ。
京極高次の母・京極マリアは、浅井長政の姉であるので、京極高次は従兄となる。
3姉妹の中で一番早い結婚でもあったが、羽柴秀吉の養女として嫁いだとする説もある。
1590年、京極高次は近江・八幡に28000石となり八幡山城主になった。
京極高次の姉・京極竜子が、豊臣秀吉の側室になったこともあり、京極高次は一族の七光りという意味も含まれて「蛍大名」と揶揄された。
1593年、姉の淀殿が拾(豊臣秀頼)を出産しているが、お初は子供ができなかった。
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1595年、お初が26歳の時、京極高次は近江・大津6万石に移封となり大津城主となった。
また、この年、末妹のお江が、豊臣秀吉の命にて徳川秀忠に再嫁している。
1598年、豊臣秀吉が没した。
1600年、石田三成の関ヶ原の戦いでは、京極高次は当初、石田三成に協力すると見せたが、大津城に3000で籠城すると徳川家康に味方した。
そのため、西軍は毛利元康、立花宗茂、小早川秀包、筑紫広門ら15000を派遣して、9月7日から大津城の戦いとなる。
のち北政所が派遣した孝蔵主、淀殿が送った饗庭局、毛利輝元と高野山からの使者・木食応其らの説得に応じ、京極高次は9月15日に降伏して大津城を開城した。
しかし、この日、関ヶ原の本戦となり、西軍は敗退することに。
九州屈指の名将・立花宗茂の猛攻を食い止めたことを、徳川家康から称されて、京極高次は若狭一国(若狭小浜85000石)を与えられた。
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1609年、夫・京極高次が死去すると、お初は剃髪・出家して常高院と号した。
この頃から甥・豊臣秀頼と徳川家康の対立が起こり、常高院は豊臣側の使者として仲介に奔走する。
1614年、大坂冬の陣の際に、常高院は大坂城に入って織田有楽斎と共に和睦を模索、常高院は徳川勢の阿茶局と交渉して和議に尽力した。
1615年、大坂夏の陣にて豊臣家が滅亡すると豊臣秀頼の娘・天秀尼の助命を、徳川家康に嘆願したと言われている。
その後は、妹・お江とも良く会っており、お江が亡くなる直前にも、常高院は江戸城にて再会し対談したという。
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1633年8月27日、京極忠高の江戸屋敷にて死去した。享年64。
墓所は若狭(福井県小浜市)の後瀬山城の麓にある常高寺。
三姉妹の中で最も長生きしたが、晩年は継子・京極忠高とその正室で江の四女・初姫の不仲に悩まされるなど、苦悩が絶えなかったようである。
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